サディスティックマイヤー

サディスティックマイヤー。それは、リサ・ステッグマイヤー全盛期に私が面白いと思って名乗っていたペンネームである。

【福岡】カレーマニアに食べてほしいカレー4店

前回、比較的カレーを食べなれていない方にもおすすめできるカレー店を紹介させていただきました。

今回は、カレーに肩までどっぷりはまっているマニアの方にこそぜひ行っていただきたいお店を4店ご紹介したいと思います。
どのお店も本当に美味しいカレーのお店です。ただ非常に本格的なお店ばかりなので、あまりエスニックなカレーに馴染みのない方は、なかには口に合わないものもあるかもしれません。
そういう意味で前回と別けて紹介しています。

どのお店も福岡在住のカレーマニアの方だったらご存知の名店ばかりだと思います。
なので今回は、福岡県外のカレーマニアの方や、本格的にカレーの世界に足を踏み入れたい脱ビギナーの方などの参考になれば幸いです。



ダメヤ
福岡県福岡市早良区野芥6丁目4−35
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早良区野芥にあるカウンター6席のみの小さなお店です。
市街地からのアクセスは決していいとは言えませんが、ぜひぜひ一度は行っていただきたいお店です。
僕も初めてダメヤに行った際に、初めて野芥駅を利用しました。
今回、マニア向けのカレーとして紹介していますが、こちらのカレーは正直、誰が食べてもとても美味しいカレーだと思います。
ただ、このお店の本当の凄さ、ご主人のカレーに対する深い深いこだわりを理解するには、ある程度他のお店のカレーを食べた経験が必要だと思っています。なので、ぜひ本物のカレー狂にこそ食べていただきたいカレーです。

ダメヤのご主人は、食べログのように、一度食べただけでお店を評価してしまうようなやり方に反対されていらっしゃいます。
その旨は店内の目立つところに張り出されているので、このお店のカレーを食べて食べログに書き込む人はほとんどいないと思います。
なので、このお店に限っては食べログなどを見てもほぼ参考になりません。
ぜひご自身で行って、自分の舌で味わってほしいです。

僕はもし、福岡のカレー店に今後どれか一軒しか行けない呪いをかけられたら、(想像しただけで死ぬほどツラい)
おそらくその一軒に、このダメヤを選ぶと思います。
ダメヤはそういうお店です。



ハラールフード マルハバ

福岡県福岡市東区筥松3丁目10−13
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1、2年前、箱崎でものすごいカレーが食べれるという噂を耳にしました。
そして当時、僕は必死にネットでそのカレーを調べました。しかしほとんど情報がありません。
かろうじて分かったのは、イスラム教徒向けの食材を販売しているお店が、たまにカレーを振る舞っているらしい。そして日本人の客はほぼいないらしい。といった情報ぐらいでした。
それから1年ほどの間に、福岡でも名の知れたカレー廃人(褒めてる)の方々が一人、また一人とその店を訪問している。そしてとても評価が高い。という話を聞くようになりました。
そしてこのマルハバは、福岡のカレー好きの間では徐々に知られたお店になっていったと思います。
その後、安定的に毎日カレーを提供するようになったという話を聞き、僕も初めて伺いました。

こちらのご主人はパキスタン出身の方です。気さくな方。
マルハバは基本的に福岡在住のムスリムの為のお店です。なので、料理も完全に本国仕様です。日本人に合わせた味付けではありません。メニューも英語です。
見た目もあまり飲食店ぽくないので、間違いなく入りづらいお店です。ただ、あなたが真のカレー狂いなら一刻も早く行くべきです。本当に、めちゃくちゃ美味いです。
福岡の有名なカレー店主の方々もマルハバのご主人のもとに学びにやって来るぐらい、とてつもなくレベルの高いカレーです。

元々イスラム教徒向け食品のお店なので、例えば、お祈りの時間は15分ほど営業が中断されたり、料理も売り切れてしまうこともあります。メニューもかなり日替わりです。そういった事情を踏まえて行ってみてください。
ただ、必ず行く価値はあると思います。



KALA

福岡県中間市東中間1丁目3−7
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福岡県は中間市にあるお店です。僕は、このお店がなければ一生中間市に行くことは無かったでしょう。(失礼)
僕の知る限り、福岡の全カレー店の中で、最も食べログの点数が高いお店です。
そして、その点数は全く間違った評価ではありません。

カレー好きには変人が多いと個人的には思っていますが、こちらのご主人も結構変人だと思います。
まず入り口から一筋縄ではいきません。自動ドアが全く開きません。
とんちを使って、ひと手間かけて入店する仕組みになっております。入口でわりと不安を掻き立てられます。(笑)

こちらのカーラは、ミールスで有名なお店です。
ミールスとは南インドの定食のようなもので、ここ数年福岡でも提供するお店が増えてきましたが、カーラが福岡のミールス界を牽引し、そしてトップに君臨し続けてきたと言えるでしょう。
ミールスには何種類ものカレーや惣菜が必要ですが、その為、そのすべてにおいて高いクオリティを維持するのはなかなか難しいことです。
しかしカーラのミールスは、その料理ひとつひとつに細やかなこだわりが感じられる、どれもそれぞれが非常に質の高い料理たちです。それを混ぜながら食べます。すると、さらに複雑で超ハイレベルなカレーの宇宙が皿の上に現れます。
食べ始めから食べ終わるまでプレートの上が次々と表情を変え、本当に楽しい時間を過ごせます。めちゃくちゃ美味しい。

ミールスに限らずですが、カーラの料理は非常に本場をリスペクトした味になっています。その為、食べなれていない方には食べにくい場合もあると思います。
お店の食べログや看板にも、初心者向きではない旨が書かれております。行く方はそれを踏まえて行かれてください。
ただ、レンタカーを借りて高速を使ってでも、中間市まで行く価値はあると思います。



ザエカ

福岡県福岡市中央区舞鶴1丁目3−4
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親富孝通りから脇に入った細い通りに、オーソドックスなインド料理屋の看板が出ています。
細い階段を上がった2階がザエカですが、外から中の様子が見えないのでなかなか入りにくいと思います。
でも、勇気を出して入りましょう。

ザエカは、カレーをはじめ、どの料理も非常に美味しいお店です。
パキスタン出身のご主人の料理に対する技術やこだわりは相当なものだと思います。
しかし、その中でも特に有名でおすすめなメニューは、ビリヤニです。

ビリヤニとは、インドなどを中心に食べられる米料理です。スパイスで炊いたピラフのようなルックスの料理です。
日本のインド料理屋でも扱っているお店は少なくないですが、日本ではどうしても専用の器具などの準備が難しいこともあり、本場の味を忠実に再現しているお店は稀です。
しかしザエカでは、本格的な美味しいビリヤニを食べることができます。
(ビリヤニは日によっては無いこともあるので要確認)

以前ザエカのご主人から接客を受けた時に、入店してお冷を持ってきて、僕の注文をとり、その料理を作り終わる直前まで、ご主人ががずっと電話しながらだったことがあります。(笑)
ケータイを耳にあてながらオーダーとられたのは初めてだったので非常に興奮したことを覚えています。
そういった意味でも現地の雰囲気を感じられるお店かもしれません。(笑)
店主の方は、話すととても気さくな方で、パキスタン料理のことなどいろいろと教えてくださいます。
ぜひ雰囲気含めて楽しんでください。



以上4店ご紹介しました。
どのお店も福岡でもトップクラスのカレーを提供するお店だと思いますので、ぜひ参考にされてください。

前回と合わせて計10店紹介しましたが、福岡で上から10店を紹介したつもりはありません。
福岡には他にも美味しいカレー店はたくさんあります。ぜひ、いろんなお店に行ってみてください。

【福岡】カレービギナーにもおすすめのカレー6店

カレーはいろんな種類があり、人による好みの幅が大きい料理だと思います。

特にいわゆるカレーマニアが好むカレーは、個性が強いものや、限りなく本場の味に近いものが多いので、それほどカレーに馴染みのない人には美味しく感じられないこともあります。

 

今回、個人的におすすめなカレー店をまとめてみようと思いましたが、

上記のような事情がありますので、2つのカテゴリーに分けて紹介しようと思います。

「カレービギナーにもおすすめ出来る6店」

「カレーマニアに食べてほしい4店」

 

今回は、「カレービギナーにもおすすめ出来る」お店をご紹介します。

選んだ基準は、

味が万人に受け入れられる。

店内の雰囲気が入りやすい。

そして、すごく美味しい。 という点です。

 

もちろんカレー好きの方にもおすすめ出来るお店ばかりです。

ぜひ参考にされてください。

 

 

 

 

 

ツナパハ

 福岡市中央区大名2-1-1 野見山ビル5F

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おそらく、福岡で一番の有名店です。

ツナパハと言えば、とにかくカレーが辛い!というイメージの人も多いかもしれないですが、辛いだけでなく、カレー自体のクオリティが非常に高いお店です。

とはいえ、確かに辛い。知らずに入ってきた人は間違いなく驚く辛さです。

 

辛さが苦手な人はツナパハでどうしたらいいのか。方法は3つあります。

1つ目は、イングランドカリーを注文する方法。

メニューによると最も辛くないカレーがこれなので、普通はこれを注文してしまいます。しかし実はこの方法はおすすめ出来ません。

イングランドカレーはツナパハ本来のカレーとは全く別物です。

美味しくない訳ではないですが、このカレーをツナパハで食べる必要はない、と僕は思います。

そもそも注文しても品切れのことも多いです。なので次の2つの方法がおすすめです。

 

2つ目は、ドライカリーを注文する方法。

ドライカリーを注文すると、炒めたご飯にカレーソースが付いてきます。

カレーソースは辛いんですが、ご飯だけでも美味しく食べれるので少なめにカレーソースを使えば辛さを抑えられますし、美味しさも保たれます。おすすめです。

 

3つ目は、スリランカカリー、ヌードルカリーという辛いカレーを注文する際に、「辛さ控えめで」と伝える方法です。

出来るんかいっ、て感じですが、できます。

ツナパハのカレーは2種類のカレーのあいがけになっています。辛いチキンカレーと辛くない豆カレーです。辛さ控えめでお願いすると、通常より豆カレー多めにしてくれます。

この配分はかなりアバウトな気がするので、「かなり控えめ」「ほぼ豆カレー」とかいう注文の仕方も可能です。お試しあれ。

 

そして辛いのが大丈夫な方はぜひリアルレッドに挑戦してほしいです。

世間のいわゆる激辛カレーは、辛さだけで全体のバランスが壊れてしまっているものも多いのですが、ツナパハはきちんとバランスがとれていて美味しいです。

メニューにはないですが、「リアルレッド2倍」「リアルレッド3倍」という注文もできるので、試してみてください。

ちなみに、姉妹店のヌワラエリアもおすすめです。

メニュー、味はほぼ同じです。値段が100円ぐらい高いんですが、店の雰囲気がすごくいいので高いとは感じないはずです。

 

 

 

GARAM

福岡市中央区高砂1-7-4

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ガラムは、おそらく福岡で一番行列ができるカレー店です。3年ほど前に開店してから、あっという間に人気店になりました。

本来は、カレーマニア向けのお店かもしれません。そのぐらい非常に複雑かつ繊細な味を楽しめるカレーです。

しかし、ご主人の天才的なセンスで、カレーに馴染みのない方でも美味しく食べれるような絶妙なバランスになっております。

注文のあと一皿一皿丁寧に作られます。

いくつかメニューがありますが、どれも緻密に計算された、完成度の高いカレーです。どれを選んでも高いクオリティを感じます。

手間を惜しまず作っているのと、席数が少ないので長く待つことも少なくないですが、ぜひ並ぶ覚悟で行ってみてほしいお店です。

 

 

 

Tiki

福岡市中央区渡辺通5-24-38

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天神の細い細い路地を通っていくと、古い民家を改装したお店からカレーの匂いが漂ってきます。場所を知っていても見落としてしまいそうな、そんな場所にティキはあります。

場所が非常にわかりづらいこともあって、隠れ家カレーとして逆に有名になった感もあります。

立地や店の雰囲気も要素の一つではありますが、カレー自体のレベルの高さこそこのお店の本質です。

砕けたホールスパイスが香る本格的なカレーでありながら、カレーに馴染みのない人でも違和感なく食べれるようなバランスに仕上げられています。

本格的なカレーが食べれて、かつデートにも使えるような雰囲気のある、貴重なお店ではないでしょうか。

 

 

 

回kai

福岡市中央区薬院3-13-20 

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一見するとお洒落なカフェなのですが、本格的なカレーを提供するお店です。

福岡では比較的歴史もあり、福岡の他のカレー店の方からもリスペクトされているお店です。

強いスパイスの香りの漂うカレーでありながら、手間のかかった優しさを感じます。優しさと刺激が絶妙に混在した、間違いなく誰が食べても美味しいカレーです。一皿一皿丁寧に作って頂けます。

本格的なカレーを作れる女性は素敵ですね。福岡で、美人が作る美味しいカレーが食べたいときは間違いなくこのお店だと思います。

 

 

 

Zelliges

福岡市中央区赤坂3-10-44 

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ゼリージュはもともとモロッコ料理中心のお店だったと思いますが、モロッコにこだわらずいろんなカレーを提供されています。

特に、南インド料理であるミールスを提供されるようになってからは、福岡で本格的なミールスが食べれるお店が少なかったこともあり、すごく人気になりました。

ミールスとは、南インドの定食のようなもので、数種のカレーや惣菜などがワンプレートに乗った状態で提供されます。

今は福岡でもミールスを提供するお店が増えてきていますが、ゼリージュは完成度も高く非常に食べやすいので、初めてミールスを食べるには行きやすいお店だと思います。

そしてミールス以外も個性的かつクオリティの高い美味しいカレーが多くあります。そちらもおすすめであります。

 

 

 

Afterglow

福岡市中央区草香江1-8-25

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こちらのお店はまだオープン1年ほどの新しいお店です。

こちら、とてもお洒落な店内、非常に多いカレーの種類、そして若い店主。そしてカレーが独創的で、和風から中華風まで。

こういった特徴のカレー店は、僕の経験上あまり美味しくないことが多いです。中途半端なカレーをとにかく何種類も出しているお店はたくさんあります。

そんな訳でこのアフターグロウもずっと避けておりまして、初めて行ったのもごく最近の話なんですが、良い意味で期待を裏切られました。

独創的なカレーではありますが、とてもセンス良くまとめられています。

レギュラーメニューのカレーも挑戦的なものが多いのですが、さらに日替わりカレーも種類が多く、そちらはさらに日々挑戦されている感じが伝わってきます。

粗削りなカレーがあってもそれも楽しめるような、行く度に新しい発見を期待してしまうワクワク感があります。

カレーマニアもそうでない人も、同じ目線でワクワク出来るお店だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

以上6店紹介させていただきました。

どのお店もとても美味しいですし、店内もお洒落で開放的です。

そしてどのお店も日本人の方がされているので、その点でも行きやすいと思います。

一人でも、デートでも、いろんな通い方が出来るお店なので、ぜひ行ってみてください。

 

 

次回は、カレーマニアにこそ行ってほしいディープなお店を紹介します。

スパイスの宇宙

僕は、なかなかのカレー好きである。

 

なかなかのカレー好き、という、ハッキリしない曖昧な表現にしたのは、

この世には「本物の」カレー好きがたくさんいるからである。

カレーを食べない日などない、なかには年間500食以上なんて猛者もいる。

僕は、そこまでは至っていない自覚がある。だから「なかなかの」カレー好き。

 

世の中には、中毒的なマニアを生む食べ物がいろいろと存在するが、カレーも間違いなくその一つだと思う。

じゃあ、カレーの魅力とはなんなのか。

 

僕はなかなかのカレー好きなので、例えば3食連続カレーなんてよくある。

ひどいときは一週間ほぼカレーしか食べてない、なんてこともある。

そういう話をすると友人には、「よく飽きないね」と言われてしまう。

こう言われると僕はこう思う。

みんな「カレー」というものを誤解しているんじゃないか。

 

みなさんは「カレー」って、ある料理の名前だと思ってませんか。

「カツ丼」とか「餃子」とか「寿司」みたいな。

僕は、違うと思っています。

 

よく、「インドにカレーという料理は存在しない」と言われます。

これは逆に、「インドの料理はすべてがカレー」とも言いかえられます。

 

「カレー」という言葉をWikipediaで調べるとこう書いてあります。

”インド料理の特徴的な調理法を用いた料理に対し、欧米人が名付けた呼称。”

つまり、インドっぽい味付けがしてある料理は基本的にすべてカレーなんです。

 

だから「カレー」という言葉は、料理名というより料理ジャンルの名前ではないか。

「中華」、「フレンチ」、「イタリアン」、そして「カレー」。

 

僕も、例えば毎食ココイチを食べたらやっぱり飽きます。

ただ、カレーというジャンルの中でも違う料理を選んで食べれば飽きることはありません。

同じように、多くのカレーマニア達はそうやってカレーライフを充実させているのです。

 

 

 

 

 

 

世界には様々な国に様々なカレーがありますが、

インドだけみても多種多様のカレーがあります。

 

インドは非常に広い国です。

北の方にはヒマラヤ山脈があり、富士山よりはるかに高い標高に人々が暮らしています。

冬季は雪で封鎖されてしまうような地域も少なくありません。

一方、南の方は赤道のすぐそば。一年中Tシャツ一枚で過ごせます。

それだけ気候が違うので、当然食べるものも変わってきます。

 

日本で、本格的なインド料理屋といえば、一般的に

ドロッとした濃厚なカレーにナンをつけて食べるようなものをイメージすると思います。

あれは北インドのカレーです。

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↑日本でよく見る北インドのカレー

 

北インドでは小麦が主食なのでナンなどのパンをよく食べます。(米も食べますが)

また、それに合わせるカレーも乳製品や油をふんだんに使った濃厚なものが多いです。

日本だけでなく、インド国外のインド料理店はほとんどが北インドのカレーを提供しているようです。

ここまで インド料理=北インド料理 というイメージになったのは色々な理由があると思いますが、

やはり濃厚でクリーミーな料理が世界で馴染みやすかったことや、

欧米や日本のいわゆる「カレーライス」にイメージが近かったことなどがあるのではないかと思います。

 

 

 

そうなると気になる南のカレー。南インドではどういったものを食べているのか。

南インドでは主食として主に米を食べます。

日本米のような粘りはなく、パラパラのご飯です。

そしてそれに合わせるカレーは、濃厚な北のものとは対照的に非常にアッサリしています。

さらさらのスープ状のものや、豆を煮崩したものなどです。

また、南はベジタリアンが多いので、野菜を使った料理が豊富です。

味こそ、スパイスを使ったエスニックなものですが、かなり和食のイメージに近いと思います。

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↑南インドのカレー。伝統的なものはバナナの葉に乗せて供される。

 

最近はヘルシーなものやオーガニックな料理が注目されてきたこともあり、

日本でも南インドの料理を出す店が増えてきました。

ただ、北インドの濃厚なカレーのイメージがまだまだ強いので、

南インドのアッサリしたカレーが物足りなく感じる方も多く、まだ一般的ではないと思います。

しかし個人的には、先ほど和食に似ていると言ったように

南インドのカレーの方が日本人には合っているような気がするのです。

 

 

 

僕としては、北と南、どちらも大好きなカレーです。

そして、インド以外の国にももちろん様々なカレーが存在します。

その世界様々なカレー達すべてに対して、美味しいと感じる人が増えていったらとても素敵だと思う訳でございます。

 

 

 

 

 

カレーには何種類ものスパイスが使われます。

そしてそのほとんどが、細かく砕かれカレーの中に存在している訳です。

もし、僕がミクロサイズになってカレーに飛び込んだら、

そこには無数のスパイスのかけら達が、星のように光っているのではないか。

 

カレーを食べるとき、

僕はいつも、そのスパイスの宇宙に思いを馳せるのである。

車酔いと、私。

僕は、車酔いをするタイプの人間である。

小さい頃は、1時間以上車に乗れば間違いなく酔っていた。シートが皮張りの車なんか、乗った瞬間、(まだ動いてないのに)その匂いで酔ったものである。
だから、山の方にある祖母の家に行くときも、学校バスで遠足に行くときも、常にその不安は付きまとい憂鬱だったのであります。

5
歳ぐらいの、競馬好きの父の影響で馬好きだった僕は、その父に連れられて、わざわざ熊本から小倉の競馬場まで行きました。車で。
道中、当然ながら完全に車酔いして車内で嘔吐。本当に北九州が異国のように遠かった。

そしてなんとか満身創痍で小倉に到着
しかし、競馬場に肝心の馬はおらず、ただ、大型ビジョンで競馬を観戦するオッサンの群れだけが、僕を出迎えてくれた。

父は知っていた。その日レースが行われないことを。(それでも父的には楽しかったんだと思う。)
あの、ああ、僕は大人に騙されたんだなと、幼いながらに思ったものです。

しかし、そんな僕も大人になり、昔ほど車酔いしなくなってきました。普通に乗ってる分には、余程の山道とかじゃない限りだいたい大丈夫です。


ただ、車内で文字を読んだりするとダメです。酔います。

小さい頃は、新しいゲームソフトを買ってもらった帰りに我慢できず決死の覚悟でソフトの説明書読み、やはり即車酔い家に着いてからもそのダメージでしばらくゲーム起動できずなんてこともよくありました。


でも大人になってからもやっぱり、移動時間は本読んだり、ネットでコラム読んだりしたい訳です。
特に高速バス乗るときなんかは暇だから、読んじゃうそして酔う。

というわけで今でも、昔ほどではないですが車酔いで気分が悪くなることはよくあります。
で、昔から車酔いしだすと喋る余裕もないので、無言で色々考える訳です。


小さい頃は、どうやったら吐かないか、なにか少しでも気が紛れることを必死に考えていました。

そう、本当に必死に、一生懸命考えるのです。無言で。

幼いころ、そんな風に何時間も無心で考え続ける機会があるでしょうか。

今ならこう思えます。あれはある種の瞑想状態だったのではないか、と。

 

そんな極限の瞑想をかれこれ20数年してきた訳ですが、

その極限状態の歴史の中で私がたどり着いた、乗り物の中でも酔わずに本が読める、画期的な商品を今日はご紹介したいと思います。

(車酔いしてる間は、寝るか、目を閉じて考え事するかしかないので基本的に暇です。)

 

まず、そもそもどうして乗り物酔いするのか。

実は、乗り物酔いの具体的な原因ははっきりとは分かっていないようです。

ただ、僕が大きな原因だと考えている、体への刺激が3つあります。

 

1)加速度による刺激

2)振動による刺激

3)視覚的刺激

 

おそらくこの3つがなくなれば車酔いする人はほとんどいなくなるのではないでしょうか。

 

そして、僕に限って言えば、普通に車に乗っているだけでは酔いません。

ただ、本を読むと酔います。

つまり、ここから導き出される仮説は、

僕は1)2)の刺激には耐えられる。そして3)の中でも、窓の外の流れる景色などの刺激には耐えられる。

しかし、本を読む際の、文字の振動による視覚的刺激が加わると酔ってしまう。ということです。

 

この、本を読む際の視覚的刺激をどうやったら抑えられるか。

要するに、本と自分の頭が固定されていて、常に同じように振動するようにしてしまえばいい訳です。

 

つまりこういうことです。

 

まず、海女さんが使うような筒状の水中メガネを用意します。

その先端に本を固定できるようにします。

筒の中には目に優しいLEDを設置して、本を明るく照らします。

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本のページめくる際は、本を一度取り外します。(その時、そっと目を瞑ると酔わない。)

 

いつか商品化したいです。

 

 

(現在ブログの方向性を模索しております。)

 

田舎に泊まろう

僕の実家は熊本です。

そして祖母の家は、熊本と宮崎の県境の山の中、

かなりの田舎にあります。

コンビニなんてもちろんないし、バスも一日一往復みたいな。

 

そんな吉幾三の地元みたいな田舎ですが、

数年前、祖母が亡くなってからずっと空き家になっていました。

 

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祖母の家

 

 

で、昨年末、その空き家になっている祖母の家で一週間ほど一人暮らしをしてみたのです。

特に理由があった訳ではなく、暇だったのでなんとなく。

 

実際に住んでみてやっぱり不便は不便でしたが、たった一週間だったし、そこまで嫌になることはなかったです。

 

古い家なので、日中は家の外よりも中の方がかなり寒かったり、(もう家じゃなくて木陰の一種だと思った)

毎回大音量で鳴って時間を知らせる古時計とか、(深夜0時でも律儀に12回鳴る)

屋根裏を走るネズミの足音とか、(猫かと思うくらい音がデカい)

 

そういう田舎っぽいことも3日目には慣れました。

 

家から徒歩20分のところに村唯一のスーパーがあって、毎日そこに行って、

あとの時間はほとんど家で過ごしました。

住んでみて気づいたけど、徒歩20分のところにスーパーがあるって、その村じゃほぼ駅前ぐらいの好立地。(もちろん駅なんてないが)

どうやって生活してるんだろ、って思うような山の中にも(祖母の家も十分山)小さい集落がいくつもあることも初めて知りました。

 

あと超田舎だからどこに行くにもよそ者は目立ってしまう。

普通にスーパーで買い物しても、普通にバス乗っててもめっちゃ見られる。ジロジロ見られる。

そしてなんなら聞かれる。お前は誰だと。

 

殺人を犯した人が死体を山中に隠したみたいなニュースってよく見るけど、

ああ、こうやって足がつくのか、と思った。

 

そんな田舎で、たった一週間だけど住んでみて考えたこと。

まあ実際は元々考えていたけど、それを肌で感じたかったのかも。

 

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村にある天文台に星を見に行った

 

 

都会と地方の格差の話って、もう何年も言われてることで。

 

それを政治として考えると、地方にお金をばら撒くような話になってしまうけど、

根本的な解決の為には、地方が正々堂々とお金を稼がないといけない。

都会にない強みを生かして、人を呼ばなきゃいけない。

まあそんなことはみんなわかってる訳で。

 

でもできてないから今みたいな、都会が地方を支える的な構造になっちゃう。

地方にいたら、支えられてる自覚もないけど。

 

でも思うのだけど、

都会で働いてる人って、本当に都会で働きたいと思ってる人ばっかじゃないよね。

本当は田舎でゆっくり暮らしたいけどねーとか、

今は無理だけどいつかは田舎でーとか。

特に子育てする人は考えるんじゃないかと思う。

 

都会と比べた田舎の強みって、全くない訳じゃなくむしろ明確で。

空気が美味しいとか、人が優しいとか、生活費が安いとか。

そういう共有されてるメリットがあるのに、実際に田舎に移り住む人は少ない。なぜ。

 

特に昨今は働き方がすごく自由になってきてるから、

フリーランスノマドワーカーだったら住む場所なんかあまり関係ない気がするんだけど。

インターネットさえあればいつでも無料で世界中とテレビ電話で繋がれる時代だし。

たまに都会に出張することを考えても、田舎の方が経費も安いだろうし。

 

僕自身は、地方で生まれ育ったこともあって、田舎暮らしに憧れてる訳ではないんだけど、

田舎に住みたい都会人がいて、

それを住まわせたい田舎があるのに、

どうして実現しないのかと、前から思っていた訳です。

 

なので実際に田舎に住んでみて自分なりに考えてみた訳です。

 

田舎で働くことをリアルに想像したとき、

感じるデメリットって色々あるけど、

そのほとんどがテクノロジーでクリアになる、もしくはもうなってるものだと思うんだけど、

 

一番どうしようもないのが

人と会って受ける刺激の少なさ、だと思う。

それを今回肌で感じた。

 

単純に都会より人が少ないからってのもあるけど、

それよりも、田舎って保守的な人が多いんだよね。

田舎に生まれても、現状に満足できない人は都会に行くわけだから、残った人たちが保守的なのは当然ではあるけれど、

でもこのことが田舎に移り住む人が増えない根本的な原因になってる気がする。

 

なぜ問題か。

さっき言ったような、田舎で働ける可能性が高いフリーやノマドの人って

クリエイティブな仕事だったり、そもそもリベラルな考え方の人が多いと思う。

 

そういう人はどうしても人から刺激を受けないといけない。

インターネットによって、世界中の情報が手に入るようになって情報格差がなくなった、

都会に住めばそう思うかもしれないけれど、地方ではやっぱり格差を感じてしまう。

ネットの普及によって、逆にネットで手に入らない情報の重要性が高まってしまった。

だからこそ人と会って直接受ける刺激や情報の比重が高くなっている。

 

逆に、都会でも保守的な考えの人は

前時代的、とは言わないけど、いわゆる日本的な会社に勤めてる人が多い。

営業は足で稼ぐ、顔を合わせないと取引にならない的な。

そういう会社に勤めてる人は物理的な問題でなかなか田舎に住めない。

 

こういう、

田舎で成立する可能性のある仕事の人は、性格的に田舎に向かない。

性格的に田舎に向いている人は、仕事が田舎で成立しない。

という構図があると思う。

 

地方創成という文脈で語られることって、地方の魅力再発見的な話が多いけど、

いかに地方にリベラルな人を呼べるか、ってところに

意外に地方創成のヒントがあるんじゃないかと思う。

 

今、都会から地方に移り住んでるクリエイティブな仕事の人たちって、

なにかしら、社会派な考えを持っている人が多いと思うけど、

 

そうじゃなくて、クリエイティブなことするなら地方だよね、地方に住んだ方が刺激受けれるよね、って当たり前のように思えるような環境を作るのが大事かなと思う。

 

もし、そういう日本の成長分野が地方に集まることになれば、それはもう地方ではないし、

それって結局、日本にシリコンバレーは作れるかってことじゃない、って話なんだけど、

つまりそういうことなんだろうけど。

それなら、大きな自治体主導でやっていかなくちゃいけない、

じゃあやっぱり道州制でしょ、的な。

 

色々考えて、結局はよく聞く話にいきついたけど、

田舎に住んでみて、そういうミクロな視点から考えてもやっぱりそう思えたのが収穫だったのかな。

 

僕はまだ力もないし、まずは都会で地力を鍛えなきゃいけない気がしてるんだけど

いつかは地元に還元したいなと思っております。

 

都会に住んだら考えも変わるかもしれないけどね。

 

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